【20代女性】
歯性上顎洞炎の症例
【根管治療の難症例】
治療前
治療後
治療前レントゲン
治療前CT画像
治療前レントゲンおよびCT画像です。
右上6番には歯髄に達する大きなコンポジットレジン充填がされています。
根尖部の骨は黒く大きく溶け(赤矢印)、ほぼ上顎洞と交通しています。
上顎洞内部は上方までX線不透過性が亢進し(白くなっている)、典型的な上顎洞炎の像を呈しています(黄矢印)。
局所麻酔を十分に行った後、コンポジットレジンを外し、虫歯を完全に取り除きます。
歯質の崩壊が大きいため、隔壁を作成しラバーダム防湿の準備を行います。
マイクロススコープを使用し、根管内部が完全にきれいになるまで清掃・消毒を徹底的に行っていきます。
上顎大臼歯の根管治療では、特に近心頬側第二根管(MB2)の見落としが多く、根尖病変の再発や予後不良の原因になることが多いです。
当該歯においても、CTとマイクロスコープを駆使し丹念に探索を行った結果MB2を確認し、4本の根管を根尖まで完全に清掃・消毒を行いました。
症状が消失し、根管内に排膿や汚れが無くきれいになっていることを確認できたため、バイオセラックシーラーとガッタパーチャにて根管充填を行いました。
通常、症状や大きな根尖病巣、歯性上顎洞炎などが無ければこのまま歯冠修復処置を行いますが、このケースは炎症の広がりが大きいため3か月ほど経過観察を行うことにしました。

根管充填後レントゲン画像です。根尖部までしっかりとお薬が詰まっているのが分かります。
根尖病変および歯性上顎洞炎の予後を確認するため3か月ほど経過観察を行います。
根管充填3か月後のCT画像にて、根尖病変および歯性上顎洞炎の予後を確認しました。
根尖病変は顕著に縮小して骨の再生が見られ、上顎洞炎はほぼ治癒していました。
術前の症状もまったく無くなったので、ファイバーコアおよびオールセラミッククラウンにて歯冠修復処置を行いました。
根管治療14か月後のレントゲン及びCT画像では、根尖部のX線透過像および上顎洞内の不透過像は完全に消失しているのが分かります。
根尖部の骨の再生と上顎洞の正常化が認められ、根尖病変ならびに歯性上顎洞炎は完全に治癒しました。

根管充填3か月後CT画像です。根尖病巣は顕著に縮小しており、骨の再生を認めます(赤矢印)。
上顎洞の炎症も消退し、ほぼ正常像を呈していることが分かります(黄矢印)。
病状が治癒傾向を認めるため、歯冠修復処置を行っていきます。
右上6番には歯髄に達する大きなコンポジットレジン充填がされています。
根尖部の骨は黒く大きく溶け(赤矢印)、ほぼ上顎洞と交通しています。
上顎洞内部は上方までX線不透過性が亢進し(白くなっている)、典型的な上顎洞炎の像を呈しています(黄矢印)。
●感染根管治療
局所麻酔を十分に行った後、コンポジットレジンを外し、虫歯を完全に取り除きます。
歯質の崩壊が大きいため、隔壁を作成しラバーダム防湿の準備を行います。
マイクロススコープを使用し、根管内部が完全にきれいになるまで清掃・消毒を徹底的に行っていきます。
上顎大臼歯の根管治療では、特に近心頬側第二根管(MB2)の見落としが多く、根尖病変の再発や予後不良の原因になることが多いです。
当該歯においても、CTとマイクロスコープを駆使し丹念に探索を行った結果MB2を確認し、4本の根管を根尖まで完全に清掃・消毒を行いました。
●根管充填
症状が消失し、根管内に排膿や汚れが無くきれいになっていることを確認できたため、バイオセラックシーラーとガッタパーチャにて根管充填を行いました。
通常、症状や大きな根尖病巣、歯性上顎洞炎などが無ければこのまま歯冠修復処置を行いますが、このケースは炎症の広がりが大きいため3か月ほど経過観察を行うことにしました。

根管充填後レントゲン画像です。根尖部までしっかりとお薬が詰まっているのが分かります。
根尖病変および歯性上顎洞炎の予後を確認するため3か月ほど経過観察を行います。
●予後確認および歯冠修復処置
根管充填3か月後のCT画像にて、根尖病変および歯性上顎洞炎の予後を確認しました。
根尖病変は顕著に縮小して骨の再生が見られ、上顎洞炎はほぼ治癒していました。
術前の症状もまったく無くなったので、ファイバーコアおよびオールセラミッククラウンにて歯冠修復処置を行いました。
根管治療14か月後のレントゲン及びCT画像では、根尖部のX線透過像および上顎洞内の不透過像は完全に消失しているのが分かります。
根尖部の骨の再生と上顎洞の正常化が認められ、根尖病変ならびに歯性上顎洞炎は完全に治癒しました。

根管充填3か月後CT画像です。根尖病巣は顕著に縮小しており、骨の再生を認めます(赤矢印)。
上顎洞の炎症も消退し、ほぼ正常像を呈していることが分かります(黄矢印)。
病状が治癒傾向を認めるため、歯冠修復処置を行っていきます。
根管治療14か月後
のレントゲン
根管治療14か月後
のCT画像
根管治療14か月後のレントゲンおよびCT画像です。
術前にあった根尖部のX線透過像(赤矢印)ならびに上顎洞内のX線不透過性の亢進(黄矢印)は完全に消失し、根尖病変および歯性上顎洞炎は良好に治癒しているのが確認できます。
術前にあった根尖部のX線透過像(赤矢印)ならびに上顎洞内のX線不透過性の亢進(黄矢印)は完全に消失し、根尖病変および歯性上顎洞炎は良好に治癒しているのが確認できます。
| 担当医 | 海老澤 博 |
|---|---|
| 主訴 | 右上の奥歯が噛むと痛い。 かかりつけ医で歯根の先に炎症があるので、専門医で診てもらった方が良いと言われた |
| 期間 | 6か月(経過観察期間の3か月を含む) |
| 費用 | 再根管治療(大臼歯) 132,000円 ファイバーコア 22,000円 テンポラリークラウン(仮歯) 5,500円 オールセラミッククラウン 132,000円 (※治療当時の金額です。) |
| 治療内容 | 感染根管治療 根管充填 |
| 治療に伴う リスク |
根管治療において、一時的に痛みや歯茎の腫れを生じることがあります。 歯性上顎洞炎は歯科治療だけでは治癒しないケースもあり、耳鼻科との連携診療が必要な場合があります。 また歯科および耳鼻科での加療にもかかわらず治癒しない歯性上顎洞炎の原因歯は、抜歯が適応になります。 |






















●患者様の主訴
「右上の奥歯が噛むと痛い。かかりつけ医で歯根の先に炎症があるので、専門医で診てもらった方が良いと言われた」とのことでした。
●診断と治療計画の立案
右上の6番の大臼歯に、大きなコンポジットレジン充填がしてありました。
レントゲンおよびCT診査を行ったところ、歯髄に達する大きな充填の跡が見られ、根尖部の骨はすでに大きく溶けて吸収しており、炎症は副鼻腔に達していました。
レントゲンおよびCT画像から、虫歯治療後の歯髄壊死・壊疽から生じた慢性化膿性根尖性歯周炎と診断しました。
また、根尖病変に起因する歯性上顎洞を併発していると診断しました。
症状にもよりますが、歯性上顎洞炎の治療は基本的には歯の治療を優先します。
まず、根管治療を行って根尖病変の消炎を図りつつ、同時に耳鼻科での抗生物質の少量長期投与を並行して行っていくことにしました。
根尖病変が大きく、上顎洞炎を併発しているようなケースでは、根管治療後3か月ほど治癒の経過をみて歯冠修復処置を検討していきます。