再根管治療
再根管治療について

再根管治療とは、これまでに根管治療を受けた歯に対し、再び根管治療を行う治療です。つまり、以前に受けた根管治療に不具合があり、根管治療のやり直しを行います。
当院に根管治療希望で来院される方のほとんどがこのケースです。
再根管治療は治療の難易度が高く、イニシャルトリート(抜髄)に比べ治癒率も有意に低くなります。
また、再根管治療では、土台(コア)が太く長く外せない、歯が薄く削られている、歯根の先端部が壊れている、歯根に穴が開けられてしまっている(パーフォレーション)、破折器具が根管内に残っているなど、多くの問題を抱えていることが少なくありません。
このような場合には、より多くの治療時間を要し、特殊な治療器具や薬剤が必要になります。
また、再根管治療が必要な歯は、根尖病変が難治性になっている場合(歯根嚢胞や歯根肉芽腫など)も多く、再根管治療の成功率は歯の状態によって統計上40~70%程度と幅があり、抜髄に比べ明らかに低くなります。
当院では、的確な診断と精密な治療により、統計よりも高い成功率を実現しています。
再根管治療が必要になるケース
①一般的なもの

すでに根管治療を受けている歯で、根尖部に病変を生じています。
強い自発痛や咬合時の疼痛、歯茎の腫れ(フィステル、サイナストラクト)などを生じることが多いです。
統計上では、根管治療の成功率は70%程度とされます。
②根尖が破壊されているもの

すでに根管治療を受けている歯で、前医の治療で根尖部が破壊されていたり、根尖病変の影響で根尖部の歯根吸収を生じているようなケースです。
根管治療の成功率は統計上40%ほどと低いです。
③根管が石灰化していて貫通しないもの

歯の痛みや歯茎の腫れなどの臨床症状があるものの、根管内部が石灰化しており、根管治療を行っても根尖部まで器具が入らず、根管充填が術前とあまり変わらないケースです。
成功率は統計上60%程度とされます。
④ほとんど根管治療されていないもの

すでに抜髄してあるものの、ほとんど根管治療がされておらず、根尖病変および臨床症状の無いものです。
再根管治療の成功率はほぼ100%と極めて高いです。
再根管治療の流れ
麻酔
根管治療を行う際には、痛みを感じないように毎回麻酔を行って処置を行います。麻酔が痛くないようにしっかりと表面麻酔を行います。
炎症による痛みが強い場合は麻酔が効きにくいため、一旦抗生物質および鎮痛薬で炎症を抑えてから治療を行う場合もあります。

虫歯や詰め物、被せ物の除去
および隔壁の作成
虫歯や歯に詰めたり被せてある修復物を完全に取り除きます。
再根管治療が必要になった歯の多くは虫歯が大きかったり、すでに大きな詰め物や被せ物がしてあることがほとんどです。
虫歯や詰め物、被せ物を取り除くと大きな穴になったり、歯が薄くなってしまいます。このままでは歯にラバーダムを行えず、また消毒薬をしっかりと密閉しておくことが出来ません。
このような場合には、コンポジットレジン(白いプラスチック樹脂)で歯の周囲に隔壁かくへき)を作ります。

根管の清掃・消毒
根管内に詰めてある古く汚れたガッタパーチャを丁寧に取り除き、歯根の先端まできれいに清掃していきます。
根管内に薬剤を満たし、専用の超音波チップによる振動を与えることによって、目に見えない感染し腐敗した組織や切削粉まで完全に除去・洗浄します。
根管内の清掃が終わったら、消毒薬にて十分に殺菌・消毒します。
再根管治療では、すでに詰めてあるガッタパーチャを取り除くのに時間がかかるため、抜髄や感染根管治療に比べ治療回数が多くなる傾向にあります。

根管充填
根管内がきれいになったら、隙間ができないように最終的な薬を歯根の先端まで緊密に充填します。
高い生体親和性や封鎖性、抗菌性、流動性を持つペースト状のバイオセラミックシーラーとガッタパーチャ(ゴム状の樹脂)を使用し根管充填を行っています。
根尖部が壊れていたり吸収している場合には、バイオセラミックセメント(MTA,RRM)だけで充填する場合もあります。

歯冠修復処置
再根管治療を行う歯は、以前の治療ですでに多くの歯質を削ってあるため、基本的に歯がほとんど残っていません。
したがって、臼歯部においては基本的にコア(土台)およびクラウン(被せ物)による補綴が必要です。
前歯に関しては、歯質が十分に残っていれば、コンポジットレジンによる充填でも大丈夫な場合もあります。
歯冠修復の精密さは根管治療の予後を左右します。
適合の悪い歯冠修復物を装着するとバクテリアが内部に侵入し、根管治療の成功率は低下します。
根管治療を成功に導くためには、精密な歯冠修復を行うことがとても重要です。
















